『ゴーン・ガール』ギリアン・フリン~読書ブログ27

アメリカ 2012年

難易度 ★★



万人受けする本はない!

読書ブログを書き始めて、一年が過ぎました。毎回自分が読んで面白かった本の中から、読みやすいものを紹介してきたつもりだけど、この一年でしみじみ思ったのは、万人に受ける本はないな!ってこと! 友人に本を勧めるときは、「この人なら、この本好きかも?」と相手の読書傾向に合わせられるんだけど、ブログは不特定多数。思っていたより難しいです。


何を選ぶかは毎回悩みます…。同じ本を読んで、真逆の感想を持つ人がいることは当たり前だけど、できれば読みたいと思ってもらいたいので。でもやっぱり好きな作品を語るという、自己満足で終わっている?(笑) 読書って本当に個人の趣味だものね。


さて、今回ご紹介の『ゴーン・ガール』、NYタイムズベストセラー1位らしいんだけど、Amazonのレビューを読んだら、「めちゃくちゃ面白い派」と「時間の無駄派」に見事に分かれていました(笑) レビューって、ファンかアンチによって書かれていることが多いですよね。どっちつかずの感想だったら、誰かにこの思いを伝えたいというエネルギーが湧いてこないせいかな。それにしても、ここまで分かれるか?って感じです(笑)



失踪した妻、疑惑をかけられた夫

舞台はアメリカ、ミズーリ州の田舎町。夫のニックは元雑誌のライター、妻のエイミーは高名な童話作家の娘で、人気童話の主人公にもなった元セレブ、元クイズライター。でも二人はネットの普及で仕事を失ってしまい、NYから引っ越してきました。いわゆる都落ち夫婦です。


結婚五年目の記念日に事件が起きます。エイミーが突然行方不明になったのです。部屋は荒らされて、アイロンややかんはかけっぱなし。ニックは警察に通報するのですが、やがて疑惑の目はニックに向けられていきます。エイミーの身に何が起こったのか? ニックは身の潔白を証明できるのか? という筋書き。


この作品の面白さは構成だと思います。現在のニックの視点と、過去のエイミーの日記が交互に書かれて、ストーリーが進んでいきます。二人の気持ちはズレていて、ニックはもはやエイミーを愛していないし、エイミーはニックを愛していると言いながら、理想の夫ではないことに不満を抱えています。


文章の書き分けも面白かったです。ニック視点のときは元ライターらしく、ちょっと理屈っぽく、皮肉交じりの文体。一方エイミーの日記になると、若い女性の語り口に変わります(『ブリジット・ジョーンズの日記』風かな)。多くの作家さんは、視点を変えても文体までは変えないので、これは凝っているなあと思いました。


キャラクターの面白さについても書きたいけど、それはネタバレになるから!


ひとつ注意点は、「ハッピーエンドが好き」「キャラクターに共感したい」という方には、あまりおススメできない作品です(笑) 「時間の無駄派」はこの読後感に拒絶している方が多いみたいです。この作家さんの『冥闇』も読んだけど、やっぱりやりきれないというか、救いがないというか、そういう作風の作家さんなのかも? わたしはバッドエンドだろうと共感できないキャラクターだろうと、ちゃんと意味があるなあと思えたら、OKなのですけど(^^)。


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