『結婚のアマチュア』アン・タイラー~読書ブログ16

アメリカ、2004年

難易度 ★(読みやすい翻訳だと思います)




テーマは家族の日常

アン・タイラーはアメリカでは人気の作家さんみたいです。わたしは6冊読んでいて、その中でもダントツ面白かったのが『結婚のアマチュア』。絶版本だけど、アマゾンでお安く手に入ります。本好きにはいい時代になったものよねえ。


よくある家族の、ありふれた日常を書く作家さんです。でも出来事はけっこうドラマチックかな。とりあえずスーパーヒーローやあっと驚くどんでん返しは出てこない。きっとそんなものを書く気はないのでしょう。だから感想はいつも「わかるわかる~」「あるある~」。でもそこが面白いんですよ!


綾小路きみまろの世界?

『結婚のアマチュア』のはじまりは戦時中のアメリカ、ボルティモア。ある食料品店にけがをした娘ポーリーンが運ばれてきて、店の息子マイケルが手当てをします。若くて美男美女の二人は一目で恋に落ちて、やがて結婚。ロマンチックですね~。


そして二人の結婚生活が始まります。面白くなるのはここから!


夫または妻に対して、「この人ってどうしていつもこうなんだろう?」と不満に思ったりしますよね。「そこはそうじゃないんだよね。だけど、この人はいつも変わらない。変えようともしない」と、実はお互いが思っている。そしてうんざりしたり、がっかりしたり、口にしないで不満をためこんだり、または口にしてけんかになったり。


やがて「この人と結婚したのはまちがいだったかもしれない」なんて思ったり。


この本を読み直して、綾小路きみまろさんが漫談で「あれから30年…」とやっているのを思い出した(笑) この作品は30年どころか約60年間の二人の物語です! ロマンチックな恋人たちだったマイケルとポーリーンが子どもを育て、親を見送り、自分たちも老いて、どう変わっていくのか。二人の視点だけではなく、子供たちの視点も交えながら、夫婦や家族を立体的に描いていきます。時にほろ苦く、時にユーモラスに。


拡大レンズのような文章

アン・タイラーの文章は描写が細かいです。望遠レンズではなく拡大レンズでものを見ているような感じ。あいまいなところがなくなるまで物事をしっかりと見てから、文章にしているのだと思います。だからリアルで、物語に臨場感があります。会話なんてしゃべっている声が聞こえてきそうですよ(翻訳のおかげもあるかな)。


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