『ミレニアム1~3』スティーグ・ラーソン~読書ブログ7

スウェーデン、2005年(作者は2004年、50歳で亡くなっています。本当に残念~!)

難易度 ★(楽しく読めるエンタメ。わたしはハマりました)




スウェーデン発の世界的ベストセラー

スウェーデンでは社会現象にまでなったそうで、映画化もされています。でも作者のラーソン氏は急逝していて、自分の作品が世界中で愛されているという成功を味わっていないのよね。わたしが紹介するまでもなく有名だけど、おもしろい作品を遺してくれたラーソン氏に感謝をこめてご紹介。



厚みのあるミステリ

主人公ミカエルはジャーナリズム雑誌『ミレニアム』の発行責任者の一人。大物実業家ヴェンネルストレムの不正を暴こうとしたんだけど、逆に名誉棄損で訴えられ、敗訴してしまいます。そんなときに、引退した実業家ヘンリックから、40年前に失踪した孫娘ハリエットの真相を調べてほしいという依頼を受けます。で、ミカエルは当時の資料を調べ直していくわけですが……。これが『1』のストーリー。


作品は、①ミカエルが敗訴した理由 ②ハリエットの失踪の真相、という2つの謎が絡み合って進んでいきます。さらに女性のレイプ問題という社会問題も加わって、厚みが増し、読みごたえのある作品になっています。



エンタメ小説としてのバランス感覚のよさ

わたしはラーソン氏ってさじ加減が絶妙よね~と思います。実はこれが大ヒットの隠れた秘訣じゃないかな? 社会問題を取り入れているけど、重くなりすぎていない。複雑になりがちなストーリーを整然と、わかりやすく伝えている。文章は、緻密さやオリジナルな描写などの文学性に凝ってはいないけど、大味ってわけでもない。的確に情景を伝え、テンポがいい。だから多くの人がすんなりと楽しめるんだと思います(そして、残念ながら、『4』からは作者が替わり、彼にはこのバランス感覚が欠けているのだった…)。



強い女性たち

ミカエルもイケメンですけどね、彼よりも登場する女性たちが強くて、かっこいいんですよ! これも作品の楽しみのひとつ。女編集長エリカ様、男前です! 女校長セシリア様、熟女の魅力たっぷりです! 憧れるわ~!


そしてもちろんリスベット! タイトルにもなっているドラゴンタトゥーの女、パンクファッションの天才ハッカー。リンドグレーンの名作『長くつしたのピッピ』の主人公が大人になったら?というイメージで書かれたそうだけど、たしかにあの子が大きくなったら、自由すぎて保護観察がついているかもね…。リスベットは一見偏屈に見えるけど、正義感が強く、やさしい。被害者になっても、泣き寝入りせず、警察を頼らず、自力でやり返す。スカッとするわ~と思っていたら、『2』で彼女の強さの秘密がわかり、せつなくて、ますます好きになりました。



おすすめは『1~3』まで

ラーソン氏はシリーズ3作品を遺しています。巻を追うごとに、舞台が広がっていき、飽きさせません。暑い夏でも楽しく読書できますよ! まだの人、読んでね~。


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