『犯罪』フェルディナント・フォン・シーラッハ~読書ブログ4

ドイツ、2009年

難易度 ★(短編集の上、とにかく読みやすい文章です)



2012年の本屋大賞受賞作

ベストセラーなので、知っている方も多いかな?と思ったんですけど、わたしの周囲の本好きは意外と誰も読んでいなかった! そしておすすめすると、みんなハマった! すすめてくれてありがとうと感謝された! というわけで、今回は『犯罪』をご紹介します。


作者は弁護士さん

タイトルどおり、犯罪にまつわる短編小説集です。作者は刑事事件専門の弁護士さんで、実在の事件をヒントに書いた作品とのこと。この作品は作者の職業が大きなカギになっていると思います。


わたしが最初にこの作品を読んだときの感想は、人はいろいろな理由で犯罪を犯すものだなあというもの。でも法律を通すと、たとえば殺人は殺人として、窃盗は窃盗として、ひとつにくくられてしまうのよね。


弁護士さんは法の番人のはずなんだけど、この作品では法律では測れない犯罪者たちが書かれています。おそらく毎日の仕事の中で人を裁くことの難しさ、法律のあり方、時には無力さを感じていたんだろうなあ。そんな思いが作品からひしひしと伝わってくる。深いです。


事実だけを積み上げていく文章

わたしは以前ある役所で調書を取られたことがあるんだけど、この作品を読んだとき、その調書の文章を思い出しました。憶測や主観が混じらないように注意しながら、起きた事実だけを淡々と書いていく。シンプルで、感情を排した文章。それなのにこの作品では、人間が、感情が、短い文章からにじみ出てくるのよ~! わたしの調書ではそんなことはなかったのに。すごすぎるわ、シーラッハ!


11本の短編すべてが高い水準で書かれているので、はずれがないです。ぜひ読んでみてくださいね。


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