『荊の城』サラ・ウォーターズ~読書ブログ1

イギリス、2002年

難易度 ★★(ちょっと長いから、根気よく)


どんでん返しのストーリー

舞台は19世紀なかばのイギリス。下町でスリをしている娘スウは、顔見知りの詐欺師リヴァーズから、一緒に結婚詐欺をやらないかと誘われます。リヴァーズが田舎村の令嬢をたぶらかして、財産をいただくから、手伝ってほしいというわけ。スウは引き受け、令嬢モードの侍女になるため、リヴァーズとともに城へ向かうのですが……というお話。その後、もちろんスウにとっては想定外のことが起きるわけですよ。


わたしは翻訳されているウォーターズさんの作品は全部読んでいるけど、なんたってこの『荊の城』と『半身』はおすすめ。話がおもしろいから! 途中で大どんでん返しがあって、ええっ!と驚かされます。うまくだまされます。やられた~って感じです。つづきはどうなるの~と悶え、一気に読み切りました。


繊細で美しい描写

わたしにとってウォーターズさんの最大の魅力は文章。描写がやわらかく繊細で、美しいレース編みのようなのよ! 正直、ストーリーはイマイチって作品もあるけど、このすばらしい文章さえあれば、そんなことはどうでもよろしいわ。


中村有希さんのすばらしい翻訳にも感謝。日本語のリズム感がよくて、読みやすくて、好きです。


女性同士の恋愛

ウォーターズさんの作品の最大の特徴のひとつは、女性が複数登場すると、必ず恋愛関係になることだと思うわ。ほんのり匂わせるなんてもんじゃなく、ガッツリです。はっきり言って、男は相手にされてない。女性との恋愛経験のないわたしは、最初「ちょっと待て。なんでこうなる?」と一人ツッコミをいれてたけど、今は「キタ~ッ! やっぱコレよね!」と楽しんでます。


しかもこの『荊の城』はイギリスのお城で、お嬢様と侍女の愛なのよ! この萌えツボを嫌いっていう人はむしろ少ないはず。おおっぴらに好きって言えないだけじゃないかな?


おもしろいストーリー、うまい文章、そしてレズ萌え。1冊で3度おいしいことを保証します。


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